【感想】
元祖鬱ゲーやらエロゲ史上最悪の鬱ゲーと名高い作品ですが、その名に恥じぬとんでもない作品でした。
ゼミの教授が主催するパーティでの死亡事故をきっかけに起こるスリリングな展開の数々と、吐き気を催す邪悪で猟奇的なイベントCG、そして迎える衝撃的な結末――で、読後感の悪さは圧巻の一言。とにかく救いがなく胸糞悪い作品でした。
テキストだけならそこまでダメージ無いんですが、ここまで丁寧に描かなくてもいいのに…という無駄にリアルな猟奇CGのせいで強烈なインパクトを残していきます。16bitのグラフィックが更に凄惨さを際立たせていました。人間はもちろん、動物の惨たらしい姿も容赦なく描かれているので苦手な人は注意です。犬猫系は本当にキツい。
インパクトの大きさでいえば、登場人物の死に際を楽しそうにスケッチしたCGも印象的。犯人の狂気的な一面がはっきりと現れた場面なので、犯人の正体は分かりつつもゾッとしましたね。
このように最低最悪なゲームだとは思いますが、何だかんだ好きな作品でした。どんな形であれ犯人は主人公の心を手に入れて、ある意味報われるというメリーバッドエンドが自分好みだったし、最後は主人公も復讐を果たしたのだと想像が膨らむ一枚絵で幕を閉じるという完璧な締め方なのも良かった。
良くも悪くも、90年代のエロゲ史に名を刻んだ作品というのは納得の一作でした。
入手難易度の高さやその内容から人を選ぶことは間違いないですが、鬱ゲーマニアの人にはぜひ触れてみて欲しい作品です。
YouTubeにプレイ動画もあげられてました。